コハリトりみっと
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第37話:「娘は安全」「では、二人きりになる場を提供する、それでよいだろう、修三タチバナ」 ひときわ凛としたカズマの声が機内の爆音を割って響いた時には、ギャランは周子に殺される寸前だった。「ギャラン、何か異論はあるか?」 ギャランは周子の下から、よろよろと身を起こした。 カズマの問いは形式的な同意を求めるためだけのもので、仮に異論があ...
- 2007-08-02 02:36
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第36話:「召喚」 ―――あの父娘は離したほうがいい、 一口喫うなり、煙草のその小さな火を頭の奥に押し付けられるような、ちりちりと神経に障る痛みが疾った。この手の勘を外したことは無い。 ―――すっげ、完璧 ―――そうだな、新人刑事とは到底思えんな カズマの冷淡な相槌を思い出し、ふうっ、と溜息にも似た煙を吐いて。 到底思えない、どころではない。...
- 2006-10-02 16:40
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第35話:「逆鱗と弱いところ」 ヘリに乗り込むと、エンギワルーは目を伏せ、しばしの休息をとった。全く、昨日から騒動続きで、散々な気がした。そもそも、昨日のその日は、早朝からして居間の様子が異様だったのだ、まさかあのカズマが、神経質で几帳面なあのカズマが、居間で車椅子に腰掛けたまま転寝をしているとは思わなかった。 ―――それも周子刑事を見...
- 2006-01-23 17:24
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第34話:「迷走」 ゼロハリバートンのアタッシュケースの持ち手がギャランの手を抜け、床を打つ硬質な音が響いた。「周子ちゃん、おれを好きって、どーゆーこと?」「ふぇっ……ええっとそのあのその」 真っ赤になってカズマの車椅子から一歩後ずさり動揺する周子。 後は勝手に話し合え、とかなんとか言い捨ててカズマはエンギワルー共々さっさと居間を出て...
- 2006-01-22 12:51
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第33話:「大人しい、奥方様」 カズマは携帯のコール音を聞きながらコーヒーカップを取り上げ、苛立ちを紛らわせるかのようにその縁に唇をつけた。やがて、周子の明るい声が耳に触れて。 今すぐ帰宅するよう言うと、周子は笑ったらしかった。「は? なに言ってるんですか、早退けなんて出来るわけな……」「ギャランに代われ」 カズマは周子の反論を遮るとキ...
- 2006-01-19 15:42
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第32話:「風呂と奥方」「おや? なんだか今日はやけに機嫌がいいんだね?」 今日は早く上がります、と定時で素早く帰り支度を始めた周子にアシューがそう声を掛けた。昨日なぞは半休にしてそれでも来たかと思えば、なんだかカズマ君とひと喧嘩でもしてきたかのような勢いで心配したんだが、と言われて周子は苦笑した。「今日はお外で食事をして、それからお...
- 2006-01-11 19:36
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第31話:「ワンゲージ未満」「へくしっ!」 盛大にくしゃみをするカズマに箱ティッシュを差し出して、エンギワルーが心配そうにその顔を覗き込む。「どうなさったんです、若? お風邪をお召しで?」 若が居間で車椅子に腰掛けたままメガネも掛けたまま眠り込んでいるのを拝見したときにはそれこそビックリしましたよ、とエンギワルーは言う。 朝、朝食の支...
- 2006-01-11 10:18
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第30話:「揺れる心」 夜勤の守衛が日勤のそれと交代してすぐの時間から就業前までの早朝のこの時間、周子はひとりガーナ署内の資料室で時を過ごす。それはガーナ署に配属されて以来のことで、現場仕事やギャランやカズマその他の余計な干渉がない限り、周子はそうすることに決めていた。 実際それが続いている所為なのであろう、調べもの熱心な新人刑事、...
- 2006-01-07 10:13
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第29話:「ラブラブの新婚いちゃいちゃ共同戦線」 会場に到着するなり、タキシードを身につけたプロのセキュリティがそこかしこに配置されていることに周子は素早く気付いた。エンギワルーを見上げそう言ったら、静かだが厳しい眼差しで窘められて。それは相当な迫力だった。どうも自分は極力黙ってなくてはならないらしい、と周子はあきらめて静かにカズマの...
- 2006-01-05 16:10
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第28話:「これから赴くのは」 エンギワルーの差し出してきた一通の白封筒を裏返して、カズマは深いため息を吐いた。そこに差出人の名はなくとも封蝋の印のその意匠、凝りに凝った緻密な様をみればすぐにその主が分かる。一見してその紙質の上質さが見て取れる見事なまでの純白、織りのしっかりした高級感漂う白封筒に華麗な金箔の縁取り。「やはりルドルフが...
- 2006-01-05 13:31
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第27話:「疑惑の端緒」 先ほど容赦なく加えられた手首の痛み、向けられるその眼差しと口調の厳しさとに周子は厳しい追及を覚悟したが、周子の予想に反してカズマは極めて冷静だった。 そうか、と一度うなずいて、それ以上の追及は無かった。 本当に頭の良い男の飲み込み、というものはこういうものなんだろう、と周子は思って。なんとなくその雰囲気は父さ...
- 2005-12-04 05:01
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第26話:「エタニティヴァリアス」「ずいぶん大胆な代物ですね。軽く一千万は越えますよ、この時計」 カズマは白手袋を嵌めて袋から取り出すと、その腕時計を手の中で弄んだ。「エタニティヴァリアス、課長からその名を聞いたときには耳を疑いましたが。私も実物を間近に見たのは初めてです。恐らく実際にはその数倍の価格で売買されているに違いない、この世...
- 2005-12-02 07:18
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第25話:「親友と妻と幼馴染と」「やあ、その、署内はなかなか居心地が悪いな?」 まるで私は犯罪者の扱いだな、とカズマは案内された会議室に入るなり冗談めかして苦笑した。「周子刑事をあっさり仕留めたのだ、それくらいの妬みは覚悟しろ」 会議室ではなく取り調べ室の方が良かったか?と嘲笑を含んだ桜井の野太い声、その言葉に、そういえば署に出向くの...
- 2005-11-30 16:51
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第24話:「囮2」「大丈夫か、周子刑事」 ギャランの腕の中にいるところを、ぐい、と無理矢理引き剥がされて。見上げるとすすけた桜井の顔があった。数瞬飛ばしていたらしい自分の意識が急に戻ってきて周子はかはっ、と小さく喘いだ。 機内に居たはずである桜井のほうがむしろはるかに危険だったに違いない。よくぞ無傷だったと周子はその頑丈さに、さすがS...
- 2005-10-22 06:52
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第23話:「囮」 政府要人の乗ったチャーター機が間もなく空港へ到着する、要人用のロビーは静かで穏やかだが、緊迫した空気が流れていた。周子は空港警備の武装警官の群れから少し離れたところに、見覚えのある顔を見かけたと思った。タイミング良く向こうも周子の方を向き、目が合うと、互いにこれまでまとっていた厳しい雰囲気を解いた。「熊田さん、お久...
- 2005-10-22 06:23
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第22話:「自嘲」「彼はうちのハウスキーパーでね」「それは既に伺いました、こちらの男性から」 カズマの説明に、ぶすっとして周子が返す。「イレイザーがハウスキーパーってまったくもう、どういうお家ですか」 一瞬カズマはピクリと硬直して、すぐに、ばか滅多なことを言うな、と素早く周子をたしなめた。 スキンヘッドの大男が慣れた手つきで紅茶を淹れ...
- 2005-09-20 19:23
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第21話:「ハウスキーパー」 何処か遠いところでカズマの言葉を聞いた。「私だって何も好き好んできみなんかと夫婦になるわけではないのだから、ここはひとつ私がひと肌脱いだと言うか、我が身を犠牲に投げ打ったというか、むしろ命拾いしたと感謝して欲しいところだ、が……ね?……おっと、おい?」 なにも泣かなくても、そんなに私が怖いか、まあ確かにこない...
- 2005-08-02 06:17
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第20話:「この世の終わり」 ギャランはタバコに火をつけてはすぐに灰皿に押し付けてもみ消した。少し天井を見上げては、首を捻って周子の消えた先を見、金髪を掻いた。そしてまたタバコに火をつけ……吸うでもなくすぐにもみ消す。それを繰り返すこと数度、イライラと落ち着かず座卓に肘をつけ、額をつけ……。「遅ぇ……」 ぐりぐりと額を座卓に押し付けて、うめ...
- 2005-06-22 15:33
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第19話:「ルチン万歳」「おれは粗茶でいい、気を使うな、気を」「お呼ばれする側の人が粗茶なんて言っちゃもうすでになんだかお呼ばれ失格です」 もしもしっぽがあれば、ちぎれんばかりにぶんぶんと振りまくっているだろう、ギャランは周子のすぐ後ろに立ってこの上なく上機嫌だ。「おれは課長にがっつりと怒られて以来、お前が招いてくれないとお家に入れて...
- 2005-06-15 07:06
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第18話:「明けて夕焼け日が暮れて」 カズマと周子とが居間に戻ってきた気配に、ギャランはガバリ!とソファから身を起こした。咥えていたタバコを灰皿でもみ消すと、すっくと立って周子の顔を覗き込む。「何もされてないな、周子ちゃん?」 コクリと大人しくうなずく周子にギャランは目を丸くする。「おいおい何だ、すげー顔色が悪いぞ、血ィでも吸ったか、...
- 2005-06-14 12:58
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第17話:「トンで火に入る締切前日」「……なに?」 カズマ宅。玄関の呼び鈴を鳴らすと、ものすごく不機嫌そうな表情のカズマが玄関に出てきた。「あ、あれ?あのう、監視カメラとかがあるとか仰ってました……よ、ね?」 あまりに不機嫌そうなカズマの表情が怖くて、周子は直視できずに目を泳がせつつ、しどろもどろにそう言ってしまう。「……だから、何?」 ――...
- 2005-06-13 12:03
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第16話:「帰宅」「ギャラン、貴様なにをやっているんだ」「なにもやってない!」「じゃあなんで周子刑事がこんなに憔悴してるんだ、そんなに激しく夜毎に攻め立てているのか、ちょっと度が過ぎるんじゃないのか、絶倫を気取るのもたいがいにしろ、このバカ」「だから、なにもやってないって!」 そんなやり取りをぼんやりとした意識の下で聞きながら、頭の上...
- 2005-05-31 07:01
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第15話:「ラジカル・ブルー」 廊下の隅にしゃがみこんだままぼんやりとしていたのだが、ギャラン刑事の靴音が近づいてくるのを察して、周子は立ち上がった。「ギャラン刑事、携帯なんですけど」 ん?とギャランは胸ポケットやらジーンズの尻ポケットやら、自分の身体をぱふぱふ叩いて、無ぇ、と呟いた。「カズマ特別補佐官のご自宅にあるそうですよ」「何で...
- 2005-05-31 06:44
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第14話:「インサニティ・レッド」「な、なんだかやけに居心地が悪いな?」 所用から戻ってきたギャランはあたりを見回し、空気がトゲトゲしてる感じ、と子供のような感想を述べて不思議そうに首を捻った。 さっき、一階のエントランスで掃除のおばちゃんに、あたしゃアンタの味方だからね!とヘンな励ましを受けて背中を叩かれたばかりである。 周子のデス...
- 2005-05-31 06:42
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第13話:「昼食はみんなでカツ丼を」 ガーナ署捜査一課課長アシューは日毎に心労が増し行くのをひしひしと我が身に感じていた。「あれはセクハラなんじゃないですか?」「ウ……うむむ?」 アシューは唸る。 確かに、いくら相手が新人刑事で右も左もわからないヒヨコだからとて、相棒という立場だからとて、ギャラン刑事はあきらかに職務を超えた密着ぶりであ...
- 2005-05-31 05:30
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第12話:「火と警視総監」 そして、ああ、疲れた、と言って周子は畳に座り込んだ。 ギャランが、朝目を覚ましたときと同様、キッチンからグラスに水を一杯注いで持ってきてくれた。それを飲み干して時計を見る。そろそろ署に出勤する時間になろうとしていた。 周子はようやく日常の感覚が戻ってきたようで、ふっと安心して。ちょっと笑って、それから口を尖...
- 2005-05-25 13:17
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第11話:「ヒーロー刑事」「ここは父さんのお家なんですから、勘弁してください」 ギャランは、畳を派手に掻き毟った挙句、なんか爪に刺さった、おそるべし日本家屋、と文句を言って爪の間に入った畳のけばをちまちまと抜いた。そして周子をじとっと睨む。「父さん、ってつまりはお前の家だろうが。大体なんだよ、さっきから父さん父さんって。そんなにその男...
- 2005-05-25 13:05
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第10話:「凄腕刑事泣かし」 ―――そしてひょっとするとそれこそがギャラン刑事の思惑? 相手はガーナ署きっての凄腕刑事である、こうバカな振りをしてその実あちらこちらに巧妙にトラップを仕掛けているのかもしれない。 シーカーの件についても、なぜカズマ特別補佐官はそれを知っていて、彼の家にシーカーが出たのか、そしてなぜあんなに取り乱していたの...
- 2005-05-25 10:05
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第9話:「職場の同僚がお迎えに」 なんだかとても暖かくていい気持ちだった。 障子越しに白い光が差し込んでいるのを周子はぼんやりと見つめ…… ―――障子?畳…… ああ、仏間だ、と思った。ほのかに線香の匂いがした。 昨夜遅くに自宅に帰ってきて、仏間で父修三の遺影を眺めているうちにそのまま畳の上で寝入ってしまったのだろうとぼんやりと思い出す。 身...
- 2005-05-24 12:55
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第8話:「現場の男」「…………して、……どうして」 切羽詰った声で揺すられて。「どうしてきみが、シーカーを知っているんだ」 その言葉で、はっ、と意識を取り戻す。 頭がぐらぐらする。先ほどからひどく揺さぶられていたようだ。怒ったような厳しい紫の目で見据えられ、周子は言い知れぬ不安に身体が竦んで声も出ない。 ―――この人は怖い。「シーカーってなん...
- 2005-05-10 17:23
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第7話:「ブレシッド・オフ」 とにかく出よう、と言われて周子は、車椅子のカズマに引きずられるようにセーブ・ルームを出た。「うわ!片付いてる!」 居間に戻ってみれば、さっきの騒ぎがまるで嘘だったかのように綺麗サッパリ片付いている。あの瓦礫はドコへやったのか。しかしある意味、そう聞いてみるのもなんだか妙に恐ろしいような気がして、周子はた...
- 2005-05-10 04:57
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第6話:「沈黙の契約書」 ところで、とカズマは改まったように周子に向き直った。「きみはほんとうに私と結婚する気はあるか?」 正直に答えろ、これは真面目な話だ、とカズマは言う。「あるわけないじゃないですか」 大真面目というより憮然として周子は返した。「なんで私があなたと結婚しなくてはいけないんですか」「きみの命の保全のためだ」 ほ、ほ...
- 2005-05-09 20:03
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第5話:「セーブ・ルーム」 建屋の中の廊下は、どこも広かった。車椅子で行き来するのに十分な横幅がある。あまつさえ、廊下の途中で不意に方向転換するのにも十分に余裕のある感じで、段差はひとつもない。おまけに贅沢な平屋作り。まさに車椅子生活のために建てられたような家だった。 カズマは手馴れた感じで車椅子を進め、やがてひとつの部屋に入った。...
- 2005-05-05 06:39
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第4話:「状況を疑え」 カズマは室内の装置のスイッチを入れると、上機嫌で壁にすえつけられた小さなモニタを覗き込んだ。 おいで、と招かれてカズマに引き寄せられ、周子もそれを覗き込んでみる。 モニタの向こうでは、ギャラン刑事が金髪を振り乱し、窓ガラスを相手に暴れていた。 どうやら、窓を割り中に侵入しようとしているらしい。 最初、テラスに...
- 2005-05-05 06:34
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第3話:「カズマ特別補佐官」「……新人?きみが?」 こくり、とうなづき深々とお辞儀をする周子を見て、カズマ特別補佐官は露骨に眉を顰めた。「実に不愉快だな」「ええっ!」 初対面での二言め、あまりな言葉に周子は軽く飛び上がり一歩後退じさる。 目の前のメガネの青年が面白くなさそうに口の端をゆがめているのを見て、周子は大いにたじろいで。「ん?...
- 2005-05-05 06:27
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「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2第2話:「相棒」 周子刑事が捜査一課に配属され、一週間。「おう、いつも大変だなァ、どら、持ってやるよ、寄越せ」 ギャランは咥え煙草で署に戻ると、馴染みの掃除婦の手からバケツとモップを取り上げた。 現場では厄介な暴れ刑事と言われてはいるものの、根の気さくなギャラン刑事は署内でのおばちゃん方とは仲がいい。捜査一課のギャラン刑事のデスクの上...
- 2005-05-05 06:04
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夜野氏により火を点けられた特別編。 舞台は現代、ガーナ署。現職の暴れ刑事ギャランと新人刑事周子、元刑事カズマ特別補佐官。 完全パラレル、本編とは関係なし。本編未読でも楽しめます。「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜 illustrated by 夜野月 ここに一人の男がいる。 ガーナ署きっての凄腕、ギャラン刑事。天性の勘で動き足で犯人を仕留める根性刑事、ただ困ったことに時折というかしょっちゅう...
- 2005-02-02 00:56
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