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絵板ログ 2005/09

絵板ログ2005/09月分。by 夜野月様/Night of the Livingdead/on 2005/09/01by 夜野月様/Night of the Livingdead/on 2005/09/03by 夜野月様/Night of the Livingdead/on 2005/09/04by 井上斑猫様/へたれファンタジー置場/on 2005/09/05by 夜野月様/Night of the Livingdead/on 2005/09/06by 夜野月様/Night of the Livingdead/on 2005/09/07by 井上斑猫様/へたれファンタジー置場/on 2005/09/09by 夜野月様/Night of the Livingde...

[tog]36:無言の圧力

 翌朝、カツカツカツ!と鋭く険のある靴音が私室へ近づいてくるのを耳に留めて、エンギワルーは軽く目を細めた。「おはようございます、若さ……」 ぱちん!と小気味良い音をたててエンギワルーの頬にカズマの平手が決まった。角度も良かったし、音も良かった。カンペキに美しい平手である。 その完璧さはまさにカズマの気位の高さを象徴しているかのようで。 カズマは言葉も思いつかないといった風にカオを怒りに真っ赤に染め...

[tog]35:まだまだ子供

 供された酒に一口つけるや、周子は飛び上がって喜んだ。手酌で酒をついでは、みるみるうちに周子は飲み干してしまう。「あはは、あーこれ!これ!」  そしてあっという間に上機嫌に。「……エンヴィ、この銘柄、よくぞ見つけたな」  杯を唇に当てたままカズマがちら、と目線だけで見上げた。 過日王と一緒に飲んだ酒である。出入りの業者がたまさかに入手した極上品だと、王に献上したい、と持ち込んできた酒だったが、さぞか...

[tog]34:男同士腹を割って

 玄関に一歩足を踏み入れるなり、いつものように出迎えたエンギワルーの姿に周子はギョッとして。 エンギワルーは、頭に包帯を巻き、ギプスで固めた利き腕を、肩から吊っている。 そうして表情一つ変えずに、周子のすぐ後ろに立つギャランから革ジャンを受け取ろうとし、慌てて周子がそれを阻止、ギャランからむんずと革ジャンを取り上げた。するとムッとしたように、一層仏頂面になってエンギワルーが、改めて周子の手からギ...

[tog]33:欠けているもの

「……おれはどえらく虚しいぞ」 「すこし、お黙りなさい」 泣きじゃくる周子を胸に抱きかかえ、カズマは軽く目を伏せる。「そそそそのオンナはなおれの……」「ですから、お黙りなさい、彼女に嫌われたくなければ」 う、とギャランは言葉に詰まる。カズマは自分の言葉がギャランを黙らせるこんな瞬間がたまらなく好きなのだが。 そんなわけで目の端に浮いたほんのりとした笑みを、どうにも、ギャランは別の意味に取ったらしかった...

[tog]32:ふとした仕草の向こうに

「……お呼びですか?」 涼やかなささやきが耳元に触れた、と同時にひたり、と冷たい小柄の怜悧な刃の感覚が首筋に落とされる。「なかなか、よい光景ですが。いささかやりすぎでしょうね」「……お、おーけー」 周子は軽く両手を上げてギブを表明しつつ、ギャランの上から体を退けた。「まっさかこうも見事に背後をとられるとはね、気配も無く。あんたが強いってホントなのね、きっと」と周子は呟いて。「いたっ!」「失礼」「……わざ...

[tog]31:国王にかける呪

「トラポ石で飛ぶと、人はどうなる?」「ロスト」 短く、周子は応えた。 たっぷり沈黙して、ガッツリ落ち込んだ表情をして、それからギャランは首を振った。「前王陛下は多分、そのトラポ石で飛んだのだろう、所詮素人目には区別つかんだろうからな」 うむ、とギャランは勝手に納得したのか、自分で自分の言葉に頷いて。「そもそも、死人のところへは、テレポ石でも行けぬだろう?」 「はは。もちろん」 周子は困ったように笑...

[tog]30:泣き落とし

 グランツ家から出ろ、というアシューの言葉に、吝かではございません、王とは出来るだけ距離を置こうと実際考えております、と応えた周子の冷静な言葉をギャランは何度も何度も反芻する。 反芻すればするほど、焦燥感が胸を焼く。「なあ、おれから離れるなんて言うなよな?」 壁一面に設えられた小引出しを端から順に、その中身を一つずつ吟味している周子の背中にギャランが声をかける。 周子からの返答は、ない。 ギャラン...

[tog]29:宰相アシュー

 周子を伴いひょっこりと王宮の執務室に姿を現した国王。 さてどちらがどう伴われたのか、その実際はエンギワルーのみぞ知る。 アシューは椅子から腰を浮かせ呆然と国王の姿を見つめた。まるで不意に目の前に神でも降臨したかのように。「……お、お待ち申し上げておりました」「待たせちゃいねぇ」 キッパリ、ギャランは首を振る。「丁度ようございました、実は……」「!おめぇが決めろ!」 おもむろに決裁を仰ごうとしたアシ...

[tog]28:魂の一番美味しいところ

「もっとも、おれは……お前にだったら憑り殺されてもウェルカムだ。絞殺、バラバラ、焼死体、何でもおっけーだ」「キスを迫りながら言う言葉じゃあないわね?」「だったら黙れよ」 黙るのはあんただろう、と思いつつ、周子は青い目がスッ、と伏せられるのを間近に見た。素直に応じる。 何度かキスをして、ギャランは首をひねった。「イイ。なんでこんな気分になるのかな。えれぇー、いい気分だ、こんなの初めてだな?」「仕方な...

[tog_p2_22]「自嘲」/タトパラ2

「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第22話:「自嘲」「彼はうちのハウスキーパーでね」「それは既に伺いました、こちらの男性から」 カズマの説明に、ぶすっとして周子が返す。「イレイザーがハウスキーパーってまったくもう、どういうお家ですか」 一瞬カズマはピクリと硬直して、すぐに、ばか滅多なことを言うな、と素早く周子をたしなめた。 スキンヘッドの大男が慣れた手つきで紅茶を淹れ...

[tog]27:ユアバディズ・コーリン・ミー

 低く、掠れた、喘ぐようなうめき声を耳にして、ギャランはふと足を止めた。 女の喘ぐ声である。 その声の漏れ出づるドア、ギャランはその部屋の主を知っている。だが、まるで情事の最中のようなその声の色、そんなものとはとんとかけ離れた、いや、ありえない、あっては困る、その女の部屋のはずである。驚いたというより、不穏さを感じ、正体不明な焦燥感に襲われた。珍しく肌がざわりと粟立った。 息を凝らす。 ドアの向...

[tog]26:残照

 鳩尾を殴られたという物理的な理由が他にあるにせよ、ギャランに頭を下げられて、アシューはひとしきり恐縮したのだが、すぐさま冷静にかつ的確に宮中に指示を飛ばすや、急遽あさっての挙式を取り決め、ギャランの元にかけてきて「今日はもう早退します!」と言い切り、去っていった。ギャランの気が変わらぬうちに、とでもいいたげな勢いだった。 冷静沈着で有能なガーナの宰相、常に渋面ながらハンサムな色男、その当年三十...

[tog]25:剣と国王

 かの伝説の聖剣も、抜いたという噂だけでは噂に過ぎない。 それを腰に下げ、その主として周囲にアピールしなければ、剣の効果も半減する。 剣の効果……単に敵を、仇なすものを倒す武器、刀剣としてではなく、王たる証としての、剣の効果。 それは絶大だった。「いや、よくやりましたな!見事である!」「王を追って落籍なさったときは、グランツの貴公子も血迷うたかと思ったが。まさかギャラン王にあの伝説の聖剣を持たせるこ...

[tog]24:不思議な静寂

 洞窟から出てくると、どう、と拍手が沸き起こった。 いつのまにか多くの兵士が洞窟の入り口前に詰めていて、ギャランが出てくるのを今か今かと待ち構えていたようだった。「何?この軍人さんの山は」 周子は黒山の人だかりといったその数の多さに驚いてギャランを見上げたが、ギャランはといえば、いかにも不快そうに眉を顰め……また例の、他人を寄せ付けぬ冷たい表情へと変わりゆくところだった。「周子殿、よくぞご無事で」...

[tog]23:真っ二つの剣

 軋む左腕。間違いなく左腕も折られる、とその痛みに顔を顰めたとき、馬のひづめの音が聞こえた。激しく蹴り立てるその音は荒々しく、一直線にこちらの洞窟へと向かってくる。あやまたず真っ二つの洞窟の入り口で馬が鋭く一度嘶いたかと思うと、タッ、と地を打つ音がする、馬から飛び降りる人の気配。「ちっ、邪魔が入った」 男はその音にすばやく反応し、周子を手放すと洞窟の奥へと身を翻した。 男が走っていったその向こう...

Appendix

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