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絵板ログ 2005/10

絵板ログ2005/10月分。by 夜野月様/Night of the Livingdead/on 2005/10/01by 夜野月様/Night of the Livingdead/on 2005/10/01by コハ/on 2005/10/02by 夜野月様/Night of the Livingdead/on 2005/10/03by 夜野月様/Night of the Livingdead/on 2005/10/03by 夜野月様/Night of the Livingdead/on 2005/10/03by 夜野月様/Night of the Livingdead/on 2005/10/04by 井上斑猫様/へたれファンタジー置場/on 2005/10/07by 夜野月様/Ni...

[tog]49:まどろみの向こう

 唐突に大きなボリュームで耳元で名前を呼ばれ、周子はようやく目を開けた。 いい加減目を覚ませよ、と苛立ちのこもった、深く痺れるような甘い声が耳元で聞こえたかと思うと、身体の奥で何かが不意に激しく揺さぶられて。「あっ、嘘っ……」 身体の芯に響く熱い痛みに周子は短く声を上げた。 と、同時に、身体の芯から指先やつま先に甘い痺れが疾って。痛みとはまた何か違うその衝撃に今度こそ本当に目がさめた周子は、勢いよ...

「10リッターの女」/短編

「レギュラー、10リッター、現金で!」 グレーの地味なセダンだが設えはいい。すう、と滑るように給油口を寄せると、彼女は窓を開け、控えめだが快活な声でそうキッパリと言う。 前に出していたシートを後ろに引くと、わずかに身を倒して給油口のレバーを引く。そして、ふっ、と息を抜く。交通量の多い国道からうちのスタンドに車を滑り込ませて初めて小さく息を吐く、そのどこか一瞬気の抜けた表情が好きだ。 今日もミニスカ...

「ホーリーアイテム」/短編

 俺のが呪いのソレだとして、彼女のは祝福された品、つまりはホーリーアイテムってワケだ。願いの叶うブラジャー、それを彼女は持っている。 セックスするときは避妊がマナー、それが大人の常識だったはずなのに、今やゴムをつければ非国民扱いされてしまう。時代というのはこうも大きく転回するものかと、それを目の当たりにして俺はさまざまな苦汁を……それこそ山のような自己批判文を書き、当局にどうにかこうにか命乞いをした...

「明るい少子化対策〜たまに双子入りもあるらしい〜」/短編

 悪化する一方の地球環境と緊迫した世界情勢、いつ牙を剥くかいつ勃発するか知れぬ天変地異や全面世界戦争に備え、防災の日には国民は自宅にて心の準備をすること、と国が定めて既に数年が経つ。当然ながら会社は休みだし、コンビニも休みだ。 非常用持ち出し袋の中身のチェックをしている彼女のその横で、床にぐうたらと寝そべっていた俺は見慣れぬ缶をひとつ手にとった。「なにこれ……子宝缶?」「うん、今年初めて配られたのよ...

[tog]48:深い眠りに

 荘厳な朝日が空を次第に明かしゆく。 夜が明けたのを知った時には、服は既に存分に夜気を吸い、朝靄の中でただじっと庭石に腰掛けていた体はひどく冷え切っていた。 深く沈みこんだ思考から戻るべく頭を振ると、朝露に濡れた草木のように自分の金髪がいくつもの冷たい滴を放つのが見えた。 その滴は、氷のように冷たくて。 ―――こんな冷たいものが髪に、肌の上にあるというのに、一向に冷める気配の無い、この胸の焼けるよう...

[tog]47:大トラ

 とっぷりと、月が中天を過ぎる頃、ようやくギャランは屋敷に戻ってきて。 部屋のドアを開けるなり鼻についた酒の匂いに不審げに眉を寄せた。 「ダレだ……って、あー。あー、なんだこりゃ」  見れば棚が荒らされていて。 先日しまっておいた極上のバーボンが封切られていて。 あまつさえ、もう既に半分以上、空いていて。 グラスが横倒しに。床にバーボンがこぼれている、グラスが一個あるだけのところ見ると、どうにも一人で...

[tog]46:絡む理由は

 エンギワルーから一通りの事情を改めて聞き、カズマは頷いた。「キラーウルフが……それに先ほどの大蜘蛛の大群。ルドルフ一行を襲った狼は囮という可能性もありますね。もっと私も気を付けるべきでした……しかし、なぜ、この私の屋敷に、魔物が襲撃を仕掛けてくるのか」「この周子が居るからだろう」とギャランが唸る。激しく立腹しているが既に存分にカズマの無用心振りを責めているので、もはやカズマに対しては言葉は無い。そ...

[tog]45:未だ知らぬ何か

 周子はおもむろにベッドから起き上がると、裸のままシャワーを浴びにふらふらと部屋を横切って歩いて行ってしまった。「……………………」 その後姿を唖然と見遣って。 いや、今は素っ裸でうろうろするなと注意する場合ではない、とエンギワルーは軽く頭を振った。 周子はほんの一時間ほどしか眠っていない。先ほどの焦燥ぶりを思うともっと眠るべきだとエンギワルーは思ったのだが、シャワーを浴びて幾分正気を戻した彼女が空腹を訴...

[tog]44:あなたはひとりか

「疲れた」 周子はぽつりとそう言うと、ソファに身を沈めた。 背に、腕に、はっきりと残るギャランの感触が、自分を抱きしめるギャランの力強い感触が、痛い。おれを頼れと言ったその言葉が、胸に刺さったように、痛い。 タトゥーさえなければこんな気持ちにはならぬはずだと思うからこそ、一層、痛い。 ロレンスに助けて欲しい、と思う。 ―――それにしても性質の悪い呪だ。 周子は自分でも御しがたいギャランへの恋情に、目...

[tog]43:伝説の白鳳凰

 少し先で立って待っていた少女のところまで来ると、少女は涙目で見上げ、大丈夫ですかと話し掛けてくる。心細げに手を伸ばして、自分の手をきゅっと握ってくるのが可愛くて、周子はにっこりと微笑んだ。「うん、大丈夫よ、ありがとう」 ギャランは呆けたように腕の中の周子のそんな微笑を見つめていた。 ごくり、と喉を鳴らした。「おう、こいつはそう簡単にはくたばらん。ソレよりだな、これからおれはコイツをちょっと本気で...

[tog]42:誰が味方かよく考えろ

「きゃああああああっ!」 屋敷中が震えるほどの大きく声高な悲鳴に、周子はがばっと身を起こした。「なに?」「心配するな、寝ていろ、おれがここにいる限りお前の身は安全だ」 ギャランが至極落ち着いた冷静な声でそう言って。優しい色を湛えた青い目で周子を見つめる。「おれが守ってやる」「!なにバカ言ってんのよ!あれ悲鳴よ悲鳴!女の子の!」「だから……ああっ、畜生、おれを無視すんな!」 ギャランが腕を伸ばしたとき...

[tog]41:味方

「―――王……」  馬を直接玄関に乗り付けたエンギワルーは、そこにギャランの姿を見、息を呑んだ。 腕組みをし、玄関の支柱に背を預けているギャランが、苛立ちを隠し切れぬ陰鬱な光を湛え、青い目を鋭くエンギワルーに向けてくる。「少し前に従者を四、五人やった。会わなかったか」「……間道から横道へと抜けましたので……」「よくぞ戻ったものだな、ケスリングの鷹」「心外」 ギャランの冷たい青い不躾な眼差しにちらともひるまぬ...

[tog_p3_00]「カズマも相当な×××××」トップ/タトパラ3

【タトパラ3】「カズマも相当な×××」 本編の番外編、というかお遊び企画。 カズマと周子の日常の一コマ。カズマの無自覚ラブがたまらなくヘタレ。 理由無き突発思いつき緊急企画、お題「カズマも相当な×××××」にお応え。お言葉を下さいました、篁様(トウヘンボク)、斑猫様(マゾヒスト)、夜野様(すっとこどっこい/アレ)、三十路女様(へたれサド)、ありがとうございました。 コハリトの私的穴埋めは「カズマも相当な紐...

[tog_p3_05]「カズマも相当な×××××」番外編/タトパラ3

 タトパラ3おまけの番外編です。 カズマがあまりにヘタレだったので(笑)。 従兄弟のルシウスに応援してもらうことにしました(もともとルシウスはカズマの味方ですけどね、異様に粘着質な兄をもつとそりゃもうありがたくて大変です)。 こちらは王宮の執務室である。宰相アシューと王佐ルシウスがそれぞれ執務デスクに向かって政務を執っている。 ルシウスは執務の手を止めると、ふむ、とひとつうなずいた。「……王は、その...

[tog_p3_04]「カズマも相当な×××××」4/タトパラ3

「座りなさい」 周子を伴って自室に戻ると、カズマは周子をソファに座らせ、窓際の執務デスクの引出しを開け、その中を探った。そしてソファのところに戻ってくる。 カズマは周子の所までくると、立ったままそのケースを開け、中から針と糸とを取り出した。程よい長さで切り、結び目を作る。「明日も雨です、下着はまだしも、衣類はおそらく乾かぬでしょう、であれば少なくとも明日はそのスカートを穿かねばなるまい、短さは気...

[tog_p3_03]「カズマも相当な×××××」3/タトパラ3

 カズマを廊下の床に沈めてから、周子はふん、と苛立ちを解放するかのように黒髪を強く揺すった。それから首を捻って。サッパリとした表情でカズマを見下ろす。もともと根に持たぬ気性なのだ、カズマとは正反対といっても良いくらいである。「実はさ、これ、どうやって穿けばいいのかずいぶん悩んだよ」「まさか!」 カズマはギョッとして先程エンギワルーの消えた廊下の先を振り返った。 そしてすぐにカズマは、い、いやなんで...

[tog_p3_02]「カズマも相当な×××××」2/タトパラ3

 周子は静かな廊下の片隅で、出窓の窓枠に腰掛けた。エンギワルーから裁ちバサミを手渡されて、すごい、この刃渡りって殺人的な輝き、と周子は率直に感想を述べた。「ええまあ、本格的な裁ちバサミですからな、あなたの手には少々余るものかもしれません。して、このようなものを一体何にお使いに……ちょ、ちょっと待て!?」 日頃仏頂面を崩さぬエンギワルーがギョッとしたように周子を止めようと手を伸ばしかけ、じょきん、と...

[tog_p2_24]「囮2」/タトパラ2

「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第24話:「囮2」「大丈夫か、周子刑事」 ギャランの腕の中にいるところを、ぐい、と無理矢理引き剥がされて。見上げるとすすけた桜井の顔があった。数瞬飛ばしていたらしい自分の意識が急に戻ってきて周子はかはっ、と小さく喘いだ。 機内に居たはずである桜井のほうがむしろはるかに危険だったに違いない。よくぞ無傷だったと周子はその頑丈さに、さすがS...

[tog_p2_23]「囮」/タトパラ2

「トライフル刑事」〜狂気のロンド ガーナ署トリニティ〜/タトパラ2 第23話:「囮」 政府要人の乗ったチャーター機が間もなく空港へ到着する、要人用のロビーは静かで穏やかだが、緊迫した空気が流れていた。周子は空港警備の武装警官の群れから少し離れたところに、見覚えのある顔を見かけたと思った。タイミング良く向こうも周子の方を向き、目が合うと、互いにこれまでまとっていた厳しい雰囲気を解いた。「熊田さん、お久...

[tog_p3_01]「カズマも相当な×××××」1/タトパラ3

「お帰りなさいませ、若」「……」 カズマは停車した馬車から無言で降りると、ちら、とエンギワルーを見、それから軽く辺りを見回してすぐにあの姿がないと知るや、馬鹿馬鹿しいとでも自分に言い聞かせるかのように軽く一度緑髪を揺すった。 そして小さくリラックスしたため息をつくと、キッチリと留め上げていた襟元のボタンひとつ外し緩めて。「ずいぶんとお疲れのようでございますな」「ああ、私は少し仮眠をとろうと思……」 ...

[tog]40:襲撃

「……全くご当人のことは無視ですな」 遠ざかっていく馬車を見遣って、エンギワルーが低く呟く。 周子は周りを見回し……気が付けばあたりにはもう誰もおらず、馬を二頭引いたエンギワルーの姿があるのみで。「ああ、もうすっかりお開き、ってワケね」「これはあとで人をやって片付けさせますから。死骸というのは何かと物騒ですからな」 カズマの斬り捨てた獣の死骸が、乾いた地に大きく血の模様を描いている。 午後の暑い陽射し...

[tog]39:グランツ家父子

 周子は目の前につながれている小さめの馬を見定め、乱暴に蹴り上げると、馬は猛々しく首をしならせた。怒りのあまり灰色のたてがみを炎のように振り立て後ろ足を高く蹴り上げるそれにひらりとまたがると、カズマを追った。 追いつかないまでも、背後に猛々しい馬のひづめの音を認め、カズマが振り返る。「なぜついてくるんですっ!」 きっ、と振り返って、周子を睨む。「あなたが馬に乗れるとは思いませんでしたがっ!」「この...

[tog]38:王ではなく王に近い、男

 王宮から戻ってきたカズマは開け放しのドアの奥を覗いてギョッとする。 自分の寝室のベッドの上に、まだ周子がいる。 思わず、なぜ?とうめき声が喉の奥で鳴った。しかも見れば自分のシャツを勝手に着ているようである、ぱっと見、これではちょっとイイ仲の情婦のようではないか。 なにやら部屋の中がとてもよい香りがして。 それが普段自分が馴染んでいる香料の匂いだとわかっていても、まるでまったく別な色を含んでいる...

[tog]37:交錯

 ―――なんだかずいぶんといい匂いだな。 その花の香りに時折ふっと意識を掬い上げられるような。 眠りと覚醒とが何度も交錯しなんとも言いがたい心地よさがある。 頬に触れる滑らかなシーツの感触に、脳の奥を擽る匂いの記憶を手繰り寄せ……まどろむ。  世にある普通の父子のように、父さんは決して抱き寄せてはくれなかったけれど。 すぐそばへ寄れば、焚き染めた沈香の幽玄で気品高い、心に染みるようななんともいえぬ良い...

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