コハリトりみっと
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通された広間の上座の一角には、毛足の長い上等な獣の敷物が贅沢に重ねて敷き詰められ、すでに領主ルシウスがゆるりと腰を下ろし、酒盃を手に、くつろいでいる。 姿を見せたカズマに、おいで、といった具合に軽く手を上げて。 銀髪の流れるその優美な様といったら、女よりもはるかに色気がある。 歩を進めるたび、かつん、かつん、と、とても澄んだ心地良い音が足下で響くのを聞き留めて、カズマはやれやれ、と感嘆半分、呆...
- 2006-08-27 05:20
- カテゴリ : 「タトゥー・オブ・ギャラン」/長編/連載中
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ルシウスの屋敷にて通された客室は、従者に与えられるものとしては破格に広く、上等な設えの、美しい部屋だった。すごい、と部屋に入るや周子とコンジョナシは感嘆の声を上げ、窓辺に駆け寄って開け放つ。「きれい!」 窓のその先には、美しい湖が陽の光にきらめいている。 風が木立を抜け、湖面を撫でる、その美しい漣を眺めて。「ルシウス様のご領地は、緑と湖とに恵まれた、この国でも最も美しい景勝地だそうです、確かにこ...
- 2006-08-26 06:25
- カテゴリ : 「タトゥー・オブ・ギャラン」/長編/連載中
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うっそうと草木が茂った細い山道を抜け、ルシウス・フォン・ソルティスの屋敷に着いてみれば、領主ルシウス自らがわざわざ玄関先で出迎えている。「よくぞこられた、カズマ殿」「…………………………」 細身でひょろりとした長身、さらさらとした銀に輝く長くまっすぐな髪と、面長の柔和な顔立ちで、実際の年より軽く十は若く見える優男のルシウスが、にっこりと満面の笑みを浮かべ、軽く両手を広げて見せる。 好意を存分に示したその...
- 2006-08-26 06:19
- カテゴリ : 「タトゥー・オブ・ギャラン」/長編/連載中
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カズマは馬車を走らせている途中で、後続の馬車の中にエンギワルーの馬車が無いことに気づき、問い質すと周子もいないという。 すぐに馬車から飛び降り、己の四頭仕立ての馬車から一番手前の、筆頭馬を外すと、ひらりとまたがり、力強く蹴り上げた。 馬車に使う馬は複数立てで使われるため、瞬発力よりも持続力、他馬との協調性に優れ周囲の馬に合わせて一緒に走るという特性をもっているものではあるのだが。 カズマによっ...
- 2006-08-26 06:00
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「ちょ、ちょっと!ちょっと待ってよ!」 まだ夜も明けきらぬ早朝、外のざわつきに気づいた周子は、慌てて窓枠に足を掛けると外へと飛び出した。 見れば、既に出立の準備を整えた馬車がずらりと並んでいる。 「ずるい! 黙っておいてくつもりね!」 周子は駆け寄ると、勢い良くカズマの胸倉を掴んで己が目線に引き寄せた。「……なんて格好です」 小汚い、と、酷くむっとしたように呟いて、カズマは無下に周子の手首を捻り上げた...
- 2006-08-26 04:39
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エンギワルーは、書生に書盆を渡すと、二言三言短く指示し、厨房へ向かった。周子とコンジョナシがその後に続く。厨房で水をグラス一杯飲んで一息つくと、エンギワルーは周子を正面から見据えた。「騒ぎは起こさないように。コンジョナシの面倒を見てやっていただきたい。出先では私は若に付きっきりになることですし、その点、まあ正直な所を言えば、少々心配はしていたのでね」「おっけ!」 喜色満面で礼を述べる周子に、コン...
- 2006-08-25 04:40
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一仕事終えて、軽く伸びをしたカズマは窓を開けた。涼しく爽やかな夏の早朝の風と共に中庭から楽しそうな明るい声が聞こえてくるのを耳にして、目を細めた。「ほほほんとに大丈夫ですか〜」「ほら、ぐずぐず言わない! 動くな。男になるんでしょ!」 気弱な子供の声と、強気な周子の声、中庭に出て歩み寄って見れば、ケープを巻いたコンジョナシを椅子に座らせ、周子がその髪を切ってやっているところのようで。 周子がコンジ...
- 2006-08-21 13:01
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滾る欲情に任せさんざんに周子の身体を抱いて。 ようやく一息ついてギャランが身を起こすと、周子は掠れた声で唸った。「ちくしょー、タトゥーがなきゃあんたなんかに」「タトゥーは関係ないだろ、強情はんな、ハニー」 ギャランは軽く肩を竦めて浅く笑うと服を着、ぐったりと横たわる周子にキスを一つ。「ギャラン……?」 どっか行くの? と、ベッドの端から周子の手が伸びて不安そうにシャツの裾を掴んで。ギャランはたちま...
- 2006-08-02 03:22
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