コハリトりみっと
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タトパラ3おまけの番外編です。
カズマがあまりにヘタレだったので(笑)。
従兄弟のルシウスに応援してもらうことにしました(もともとルシウスはカズマの味方ですけどね、異様に粘着質な兄をもつとそりゃもうありがたくて大変です)。
こちらは王宮の執務室である。宰相アシューと王佐ルシウスがそれぞれ執務デスクに向かって政務を執っている。
ルシウスは執務の手を止めると、ふむ、とひとつうなずいた。
「……王は、その、予想以上にイイ男になりましたね」
「あのお方はもともとああいうお方だ」
アシューは手元の書類から目を離さず、きっぱりとそう答えた。そして、無言のままルシウスの言葉を促して。
「ゆうべ、王がね? ルドルフの夜会へと向かう馬車の中で、豆腐ってなんだ? と私にお尋ねになられたのですよ。周子姫がほんの一言、ふと口から漏らした言葉なんですがね、周子が食べたいのなら食わせたい、と仰るのですよ。王はあんな強引なふうでいてそれでいてちゃんと姫の言葉を聞いている、ああみえて姫のことをすごく注意して見ていらっしゃるのです、どのようにしたら御自身のお気持ちを汲んでもらえるのか日夜御心を砕かれて」
昨夜の王のその真摯なお言葉には私、少々心を打たれました、とルシウスはため息を吐いた。
「手段を間違っているとはいえ、まんざら否定できぬ気がしてまいりました」
「見返りを求めぬあんな深い愛情を示されて心動かぬ女がいれば私はその面を殴りたいね」
アシューが珍しく私情を述べた。
「まるで神にでも愛されているようではないか」
もとよりアシューは王の味方である。
うーん、とルシウスは困ったように微笑んで。
「タトゥーが解けさえすればまあ、間違いない、と思っていたのですが。こうも王が、いい男に成長するとなると、はて、ひょっとしてひょっとすると、なんて心配になりますね……」
アシューが顔を上げて、珍しそうにルシウスの表情を見た。
ルシウスはそんなアシューの眼差しに苦笑して。
「うちのカズマはまだまだ子供だなと思うわけですよ」
身も心も焼き尽くすほどの熾烈なラブバトルが見たいと思いはしますが、あの王と真正面から取り合いになってあの子が無傷でいられるとは思いませんもの、私の可愛いカズマがぼろぼろになるのは見たくないですからね、分の悪い勝負なら早々に、私は自分の手を汚して憎まれ役にでもなんにでも、とルシウスはため息を吐いた。
「サトリでも分からぬことはあるのか?」
「この恋の行方だけはサッパリ」
ルシウスは肩を竦めた。
はは、とアシューは笑って。
「それでこの有様か」
ガーナ国王ギャランは、朝方にようやく夜会から解放されて帰って来るなり、かつてのミアム国境近くの穀倉地帯へと馬を駆って出かけていったのである。五百年前にミアムで栽培されていたといわれる大豆という稀少な植物の種子を求めて。
「さしずめ、来年には王宮の裏庭は大豆畑、ということになりそうだな?」
やれやれと苦笑したアシューに、
「でね、私、なんだかんだ申し上げて一度取り上げ、こっそり煎ってしまおうかと思っているわけです」
ルシウスはさらりとそう返して、微笑んだ。
[tog_p3_05]「カズマも相当な×××××」番外編/タトパラ3
Created: 2005-10-24 Modified: 2007-12-14
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「タトゥー・オブ・ギャラン」 目次はこちら
【あとがき】
お付き合いくださいましてありがとうございました。
それにしても、節分オチ、か?ギャラン……くっ(涙)。
私はもちろんカズマは好きですが、そんなギャランがたまらなく好きです。ルシウスは相変わらずですね。
カズマがあまりにヘタレだったので(笑)。
従兄弟のルシウスに応援してもらうことにしました(もともとルシウスはカズマの味方ですけどね、異様に粘着質な兄をもつとそりゃもうありがたくて大変です)。
こちらは王宮の執務室である。宰相アシューと王佐ルシウスがそれぞれ執務デスクに向かって政務を執っている。
ルシウスは執務の手を止めると、ふむ、とひとつうなずいた。
「……王は、その、予想以上にイイ男になりましたね」
「あのお方はもともとああいうお方だ」
アシューは手元の書類から目を離さず、きっぱりとそう答えた。そして、無言のままルシウスの言葉を促して。
「ゆうべ、王がね? ルドルフの夜会へと向かう馬車の中で、豆腐ってなんだ? と私にお尋ねになられたのですよ。周子姫がほんの一言、ふと口から漏らした言葉なんですがね、周子が食べたいのなら食わせたい、と仰るのですよ。王はあんな強引なふうでいてそれでいてちゃんと姫の言葉を聞いている、ああみえて姫のことをすごく注意して見ていらっしゃるのです、どのようにしたら御自身のお気持ちを汲んでもらえるのか日夜御心を砕かれて」
昨夜の王のその真摯なお言葉には私、少々心を打たれました、とルシウスはため息を吐いた。
「手段を間違っているとはいえ、まんざら否定できぬ気がしてまいりました」
「見返りを求めぬあんな深い愛情を示されて心動かぬ女がいれば私はその面を殴りたいね」
アシューが珍しく私情を述べた。
「まるで神にでも愛されているようではないか」
もとよりアシューは王の味方である。
うーん、とルシウスは困ったように微笑んで。
「タトゥーが解けさえすればまあ、間違いない、と思っていたのですが。こうも王が、いい男に成長するとなると、はて、ひょっとしてひょっとすると、なんて心配になりますね……」
アシューが顔を上げて、珍しそうにルシウスの表情を見た。
ルシウスはそんなアシューの眼差しに苦笑して。
「うちのカズマはまだまだ子供だなと思うわけですよ」
身も心も焼き尽くすほどの熾烈なラブバトルが見たいと思いはしますが、あの王と真正面から取り合いになってあの子が無傷でいられるとは思いませんもの、私の可愛いカズマがぼろぼろになるのは見たくないですからね、分の悪い勝負なら早々に、私は自分の手を汚して憎まれ役にでもなんにでも、とルシウスはため息を吐いた。
「サトリでも分からぬことはあるのか?」
「この恋の行方だけはサッパリ」
ルシウスは肩を竦めた。
はは、とアシューは笑って。
「それでこの有様か」
ガーナ国王ギャランは、朝方にようやく夜会から解放されて帰って来るなり、かつてのミアム国境近くの穀倉地帯へと馬を駆って出かけていったのである。五百年前にミアムで栽培されていたといわれる大豆という稀少な植物の種子を求めて。
「さしずめ、来年には王宮の裏庭は大豆畑、ということになりそうだな?」
やれやれと苦笑したアシューに、
「でね、私、なんだかんだ申し上げて一度取り上げ、こっそり煎ってしまおうかと思っているわけです」
ルシウスはさらりとそう返して、微笑んだ。
[tog_p3_05]「カズマも相当な×××××」番外編/タトパラ3
Created: 2005-10-24 Modified: 2007-12-14
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【あとがき】
お付き合いくださいましてありがとうございました。
それにしても、節分オチ、か?ギャラン……くっ(涙)。
私はもちろんカズマは好きですが、そんなギャランがたまらなく好きです。ルシウスは相変わらずですね。
- 2005-10-24 16:50
- カテゴリ : タトパラ3/中編/完結済
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