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「ホーリーアイテム」/短編

 俺のが呪いのソレだとして、彼女のは祝福された品、つまりはホーリーアイテムってワケだ。願いの叶うブラジャー、それを彼女は持っている。
 セックスするときは避妊がマナー、それが大人の常識だったはずなのに、今やゴムをつければ非国民扱いされてしまう。時代というのはこうも大きく転回するものかと、それを目の当たりにして俺はさまざまな苦汁を……それこそ山のような自己批判文を書き、当局にどうにかこうにか命乞いをしたが。
 勿論、彼女の事は愛していた、だがなによりそのブラジャーへの下心が俺にはあったと白状しよう。そうだ、そのブラジャーで俺の忌まわしきアレを……。
「やっぱしブラジャーだからね?まずはそれっぽいお願いがいいと思うの」
 まあそうだろう、とまずは許す。一つめの願いは三カップアップに決まった。残る願いは二つ。
「ええーと次はね……」
 もちろん、俺の呪いを解いてくれるよな?ひとたび装着すれば二度と外れないゴム、「強力(チュアン・リー)」この呪いを。
「このブラジャーが外れて欲しい……ね?そうでしょ?」
 Gカップになった胸を両手で寄せて掏り合わせるようにして俺を上目遣いで見詰めてくる。確かに、祝福された品とはいえ、外れないという点では俺のアレと同じだ。
 俺は一瞬不満げに喉を鳴らしたが、モノは拝みたい。食い込んでいたブラが外れるなり、俺はすぐさまそのたわわな果実を揉みしだきむさぼり食った。テクには自信がある、たちまち彼女は甘い嬌声を上げ、組み敷いた俺の腹の下で下半身を物欲しげに捩らせた。
「少子化対策って政府もうるさいし、私も子供が欲し……ンっ」
「ああ、そうだな!」
 そうだとも!いまこそとうとう、呪いを解く時だ!ナマで!そうさ、ナマだとも!
「タッキーみたいな美形の子供が欲しいッ」
 ―――エッ?
 俺の指で軽くイッた彼女は、その瞬間そう叫んだ。そういえば彼女はタッキーの大ファン、イク瞬間必ずタッキーの名を呼ぶといった重度のファンだったのだ。
 三つめの願いとしてあらぬことを口走ってしまった彼女はバツの悪そうに笑って、勿論俺を愛している、と言った。
「ほら、先っちょの精子溜めをチョンと切って、それで用は足りるワケだし、ね?」
 俺は彼女を突き飛ばすと、部屋を飛び出し、反少子化対策の地下組織、ノーモアエンジェルに加わった。一度は当局に命乞いをした身だが、何せ俺の相棒は「強力(チュアン・リー)」、世の女どもを妊娠の心配のない快楽に溺れさせ、すべからくゴムの前に跪かせてやる、これぞ漢の生き様だ!少子化だって?女なんて!女なんて絶えてしまえばいい!畜生、女なんて!なんてドリーミンで現実的な生き物なんだ!俺は一生涯の絶倫を、身を抛っての地上浄化を「強力(チュアン・リー)」に誓った。その目的で言えば、これこそ真のホーリーアイテムに違いないのだ!

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[あとがき]
 少子化対策をモチーフにした1000字以内の掌編小説突発イベント「少子化対策千字爆闘」(2005/9/16-10/15)に参加。

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